サルでもわかる老子・荘子

『荘子』『老子』をおもしろ・おかしくお伝えします

【荘子】逍遥遊(第五回)

水はのぉ、
様々なものを その上に浮かべることができるが、
水の深さが十分になければ、
大きな船を その上に浮かべることはできない。


たとえば、
庭先の地面の小さなくぼみに
コップ一杯ほどの水を入れるとしよう。
その上に 茎や草のきれはしを置くと どうじゃ?
茎や草のきれはしは まるで船のように
水の上に浮かぶことができるじゃろう。


ところがじゃ、
茎や草のきれはしではなく、
コップそのものを その水の上に置くと どうじゃ?
コップは 水の上に浮かばずに
水底の地面についてしまうじゃろう。


コップを浮かべるには
水の深さが足りんからじゃ。


同様にじゃ、
空気の層の厚さが十分になければ、
鵬(ほう)のような巨大な生物を
その上に浮かべることなど
とうてい できない。


だから 鵬(ほう)は
まず 天空の はるかかなたまで上昇する必要があるのじゃ。


天空の はるかかなたまで上昇したら、
鵬(ほう)は そこではじめて
様々な制約から解放され、
まったく自由に行動できるようになるのじゃ。


鵬(ほう)が南に向かって移動するのは、
それからのことじゃよ。

×

非ログインユーザーとして返信する