【荘子】逍遥遊(第二回)
昨日の話はどうじゃった?
面白かったじゃろ?
ええ? わしの作り話じゃないかって?
つまらんことを言うやつじゃのう。
そんなもん どうでもええじゃないか。
嘘の話を聞いてもしょうがないって?
しかたのないやつじゃなぁ・・・。
う~ん・・・。 わかった。
少なくとも わしの作り話ではないことを証明してやろう。
ここに齊諧さんという人が書いた本がある。
齊諧さんとは 不思議な話をたくさん書いた えら~いお人じゃ。
ほれっ 見てみろ。
彼の本にも 書いておるじゃろうが。
「鵬(ほう)が
この世界の南の果てに向かって
飛び立とうとするときには、
巨大な翼で水を打つこと三千回にして、
ようやく 巨大なつむじ風を引き起こすことができる。
鵬(ほう)は そのつむじ風に乗って、
天高くまで上昇するのだが、
その際 さらに多くの労力を必要とする。
天高くまで上昇した後、
鵬(ほう)は最北の地を離れて
南に向かって移動を開始する。
そうして
半年間
南に向かって飛び続ける。
鵬(ほう)は
そこで ようやく
一休みするという。」